昔、私が小学生の頃は家でメダカを1匹だけ飼っていました。
最初は数匹いたのですが、死んでしまってこの1匹だけになってしまいました。
玄関の靴箱の上で金魚鉢の中で暮らしていました。
ある日の土曜日、授業が午前中で終わり、午後からは友人の家に遊びに行くことになっていました。
一旦家に帰り、昼食を食べてからすぐさま家を出ることにしました。
友人の家までは距離があるので、ある程度早めに家を出ようと思ったのです。
理由もなく遅れると、やたらとうるさい友人だったので、時間には余裕を持たせたかったのです。
荷物を持って家を出ようとしたときのことです。
突然、靴箱の上のメダカが暴れ始めました。
何事かと思って金魚鉢を覗いてみると、普段では考えられないスピードで右、左とせわしなくメダカが動いていました。
お腹が減っているのかと思い、エサをあげることにしました。
食いつきはあまり良くなかったので、そこまでお腹は空いていなかったようです。
なんで暴れていたのか分からないまま、エサを元の場所まで戻し、出かけようとしたときのことです。
先程まで晴れていた空が急に暗くなり、雷を伴って大雨を降らせ始めました。
通り雨か何かだったようで、雨の勢いはすぐに弱まりました。
もし、メダカにエサをあげていなかったら、友人の家までの道中でずぶ濡れになっていました。
雨も弱まったので、傘をさして出かけました。
それからも、家を出ようとするときにメダカが暴れていると、一旦空の様子を確認するようにしています。
大抵の場合はそのあとに雨が降り始めるのです。私だけではなく、家族もそのことを知っているようで、何度か助けられたことがあったようです。
動物の中には雨が降ることを察知できるものもいるとは聞いていましたが、まさかメダカにまでそんな能力があるのかと、当時は本当に信じていました。
そのメダカが死んでからもメダカや金魚を飼うことはありましたが、その中の誰も雨を察知できるやつはいませんでした。